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マネックスグループ チーフリスクマネージャー螺良 靖が、マネックスFXメールマガジンにて連載したコラムのバックナンバーです。金融市場のあらゆるデータをもとに、為替相場や世界経済について鋭く分析しています。
日銀って、変?
更新日時:2011年04月 6日 18:00
東日本大震災からの復興の為に20兆円規模の資金が必要だと言われています。この資金の調達を巡り、政府が復興国債を発行して、それを日本銀行に引き受けてもらえば良いのではと主張する政治家やブロガーが多数いるようですね。
その一方で、そんなことをしたら日本銀行の信認が失われる、通貨の信認が失われる、そして円安からハイパーインフレを招くから絶対にダメだという反対意見もかなりあるようです。
そもそも、我が国には財政法という法律があり、第5条で、『すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。』と定められています。しかし、『但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。』という但し書が付されていて、特別の事由があり、かつ国会の議決を経れば、日銀引き受けもOKとなっています。
マグニチュード9.0の地震が、国土の至近距離で起こり、20兆円の被害が発生しているという状況ですので、これを特別の事由と言わなければ特別の事由なんてものは無くなってしまうのではないでしょうか。ですから、ここは国会が賛成するかどうかが問題となります。そして、国会で議決された場合は日本銀行には拒否権は無いと思われます。
一方、現状の日本銀行のオペレーションを見ると、国債の買い切りオペを継続的に行っており、78兆2979億円の国債を保有しています。一応日銀券ルールで、銀行券残高(現在80兆5330億円)を超えないという制限をかけていますが、これは法律ではないのでその気になればすぐに超えることが出来ます。
また、当年度に償還する国債については、その一部を短期国債で引き受けることもしています。お金には色が付いていないということを考えれば、実質的には日銀による国債の引受は行われているのと等しい状況にはなっているのでしょう。ですから、復興国債をめぐる議論で直接引き受けにそこまで頑なに反対するのは、一体全体何故なのか分かりません。
日本銀行においては、直接・間接を問わず、もっともっと国債の保有残高を増やして、将来のインフレ期待を醸成してもらいたいと思います。デフレの罠に陥っているから、日銀がいくらマネタリーベースを増やしても効果がないと主張しているのなら、いくら増やしてもインフレにならないのですから安心して増やしてもらえれば良いと思います。デフレの罠を主張しているのに、日銀引き受けがハイパーインフレにつながると思っているなんて、完全に矛盾してますよね。
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マネックスグループ チーフリスクマネージャー
螺良 靖(つぶら やすし)
大和証券入社後、ゴールドマンサックス、クレディスイスで債券部門のトレーディングやシンジケートを担当。国債、社債からMBS、ABS、そしてCDSと多岐に渡る商品を取り扱う。現在はマネックスグループ全体の市場関連リスク管理部チーフリスクマネージャー
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