ウィークリー・コラム

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テクニカル・アナリスト
陳 満咲杜 氏 ウィークリー・コラム
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陳満咲杜氏

陳 満咲杜 氏(テクニカル・アナリスト)

上海出身の為替アナリスト兼FX トレーダー。黎明期からFX 業界に携わる古参。チャート読解術である「プライス・アクション」が得意分野。テクニカル中心のコラムをお届け。

FXフォーカス・プライスアクション 第122回

更新日時:2018年7月16日 10:00

※本稿は2018年7月9日に作成されたものです。

CH20180709_USD.png

ドル/円  日足

アナリシス:

先週は一旦111円関門を突破したものの、陰線で大引けした。5月高値に接近、また7月3日高値更新後の反転で日足では弱気「リバーサル」のサインを点灯したため、「フォールス・ブレイクアウト」の疑いもある。しかし、高値更新自体の意味合いに鑑み、同疑いがあっても現実味が少ないと思われる。というのは、週足では、先週の高値更新は6月第2週の大陽線から形成された「インサイド」の上放れを果たし、また5月最終週の「スパイクロー」の足型の意味合いを強化したため、あくまで上昇途中の保ち合いと位置付ける。この意味では、5月高値111.39円の打診やブレイクは必至であり、また同ブレイクをもって112円関門のトライにつながる公算が大きい。米中貿易戦争の正式発動があっても、所謂リスクオフの円買いが鮮明に確認されず、ドル高の流れを一段と証左。先週の高値更新もあって、サポートゾーンは109円台前半から109円台後半へ上方シフトされ、ここから深押しなしでは地合いの堅調を一段と証左するだろう。度々強調してきたように、5月最終週の週足(スパイクロー)のサインが大きく、3月安値を起点とした上昇波は中の保ち合いがあっても限定的であり、またメイン抵抗ラインの打診を示し、2015年高値から構築される大型トライアングルの上放れを果たす公算が大きい。この意味では、既に111円関門の打診が確認されたため、5月高値111.41円の突破があれば、前記大型トライアングルの上放れを示す最初のサインとなるだろう。先々週から指摘してきた通り、6月21日の日足は弱気「リバーサル」のサインを点灯し調整をもたらしたが、6月26日の陽線は反対のサイン、即ち強気「リバーサル」を形成、更に21日高値を更新していたため、弱気の意味合いを帳消し、ここから基調を強めていく公算が大きい。フォーメーション的には、5月末安値を「ヘッド」とし、5月4日安値や6月安値を「ショルダーズ」と見なした場合、所謂「逆三尊」が成立する可能性も示唆され、同指示ターゲットは113円台に位置するだけに、すでに上放れが確認された以上、ここから押しがあっても限定的であり、再度高値更新をもって大幅な上値余地を拓けると思われる。ファンダメンタルズにおいては、大幅な人民元安や上海株安が先週にて再度確認され、また2015年「人民元ショック」時を超えた値幅とスピードであったにもかかわらず、2015年のように先進国を巻き込んだ混乱が生じていないことも支援材料であり、総じてドル高のトレンドが維持される見通し。


予想レンジ:110.00~112.00       メインストラテジー:押し目買い

CH20180709_AUD.png

豪ドル/円  日足

アナリシス:

先週は続伸、底割れを一段と回避、またレンジ内の変動に復帰した勢いがより鮮明になった。半面、先週の指摘通り、82円台半ば前後の抵抗を上回れない限り、あくまでレンジ内の値動きとして過大評価できず、ブレイク待ちの状況は変わらない。もっとも、6月第3週において一旦81円関門割れを果たしてから高く大引け、再度レンジ変動に復帰、更なるレンジ変動の延長を示唆したため、先週の続伸は値幅がなお小さいものの、基本は同延長線にあるかとみる。繰り返し指摘してきたように、80.50円~84.50円といったレンジの打破、また一旦ブレイク、そして「ダマシ」としてまたレンジに戻るといった値動きが度々確認されてきたため、本格的なブレイクはなお先の公算が大きい。いずにせよ、レンジ変動に留まり、また延長されてきたため、ここからはレンジの打破を待つのみであり、早晩次のステップが示されるが、最近の値動きに鑑み、80.50円以下の終値をもって下回らない限り、下放れのサインを確認できない。テクニカルの要点として、再三に渡ってレンジのブレイクを図り、また「ダマシ」のサインをもってレンジの維持を示してきたため、本格的なサインの点灯を確認するには時間がかかり、またブレイクされるまでレンジ変動を強く維持する、といった傾向が強い。

一方、米中軋轢、中国経済に依存する豪景気に打撃を与える懸念が大きく、米ドルに金利の逆転を許した豪ドルに売り圧力と化してきたが、豪ドル/ドルの切り返しもあって、底割れを回避できる可能性もある。豪ドル/ドルに関して、17年間維持してき長期サポートラインの割り込みも想定されたが、本格的な下放れまで時間がかかるだろう。となると、煮詰まるレンジ変動は本格的なブレイクまでなお継続されるが、やはりドル/円の上放れの有無が焦点となってくる。今週同蓋然性が高まる中、今週の底割れのリスクが後退され、むしろ82円台半ばの抵抗ゾーンをトライ、またブレイクをもって84円関門やその前半のトライ、といったシナリオを有力視する。米中貿易戦の行方は油断できないが、ギリギリまで何等かの合意が得られる情勢でリスクオンの流れが強まれば、レンジの上限を突破するまでに至らなくても上限の再打診は十分あり得るかとみる。先週の底固めに続き、今週はレンジ内の上方シフトを有力視。


予想レンジ:81.50~84.00               メインストラテジー:押し目買い

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陳満咲杜氏 プロフィール

陳満咲杜氏

中国・上海生まれ。1992 年に所持金5,000 円で来日し、日本語学校を経て日本大学経済学部に入学。生活費と学費をアルバイトでまかないながら在学中より株式投資を開始。大学卒業後、中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期のFX 業界へ。香港や米国の金融機関で研修を重ね、トレーダーとしての経験を積み、アナリストとして頭角を現す。GCA エフエックスバンク マネージングディレクター、イーストヒルジャパン チーフアナリストなど要職を経て独立。現在は陳アソシエイツ代表/アナリストとして活躍している。最新刊は『FX 投資のすべてがマンガでわかる!』、『勤勉で勉強家の日本人がFX で勝てない理由』(ダイヤモンド社)、その他、『GMMA の真実』、『二刀流FX』、『CFD トレーディングの真実』『FX トレーディングの真実』(以上、扶桑社)、『FX ライスアクション成功の真実』(実業之日本社)、『着物トレーダーを卒業せよ 陳満咲杜の為替の真実』(青月社)などの著書多数。日本テクニカルアナリスト協会検定会員。

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