ウィークリー・コラム

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元インターバンク・ディーラー
水上 紀行 氏 ウィークリー・コラム
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水上 紀行氏

水上 紀行 氏(元インターバンク・ディーラー)

かつてインターバンクに「三和の水上」の名を轟かせた、超ベテランFXディーラー。引退してトレーダーとなった現在も、マーケットを見るその冷徹な眼力は健在。ファンダメンタルズ中心のコラム。

ユーロ/ドル、大幅上昇の可能性

更新日時:2018年1月23日 10:00

※本稿は2017年1月16日に作成されたものです。

ユーロ/ドルは、昨年の1月から9月まで、トレンド相場できたものの、その後反落した後揉み合いとなり、これは、レンジ相場に入っているなと、正直考えていました。

ユーロ/ドル 週足

MI20180116_EURUSD.png

しかし、1月12日の東京の日中から、まったく下がらなくなってから、どうも様子がおかしいと思い始め、ロンドンに入って一段上げとなって、さらに今週になっても上昇している相場に、これは投機筋の買いではなく、投資家の買いだと確信しました。

そこで、投資家がなぜ動いているのか気になりだし、今までレンジと決め込んでいたユーロ/ドルのチャートを見てみました。

そうしたところ、日足で12月18日から、ユーロ/ドルは上がっていることがわかりました。

それでは、この12月18日になにがあったのか調べて見ましたところ、次のことがわかりました。

トランプ大統領が「エルサレムをイスラエルの首都と認定する」と宣言したことに対して、国連安保理は12月18日に、「アメリカに撤回を求める」決議案を採決しましたが否決され、この決議案は廃案となりました。

また、トランプ大統領です。

昨年の4月から9月に向けて、ユーロの上昇が加速したのは、アメリカと北朝鮮との緊張が高まったためでしたが、今度は、エルサレムをイスラエルの首都に認定したことで、アラブ諸国との緊張が高まったと言えると思います。

これは、確かに、大きな問題です。

シカゴIMM(国際通貨市場)のユーロのネットロングが過去最高になっているということが、マーケットの話題になっていましたが、エルサレムの問題をマーケットが念頭においているとしたら、直近14万4千枚のネットユーロロングでも、確かに多いけれども、まだ大丈夫だと思います。

しかし、こうした投機のポジションがどうこう言う前に、文頭で申し上げましたように投資家の動きが
重要だと思います。

大西洋を挟んで、アメリカとヨーロッパの間で、投資家が資金をドルからユーロへ、ユーロからドルへ、ケースバイケースで大きく動かしています。

投資妙味がある方に動かすこともありますが、多くの場合は、リスクからの逃避のために、動かします。

たとえば、欧州危機の時は、ユーロからドルに大量の資金が移動しました。

最近では、先にも述べましたように、アメリカと北朝鮮の緊張からドルからユーロに資金が移りました。

このように、ふたつの通貨の間でのフロー(資金の流れ)は、巨大でまた長期的だと言えます。

なぜなら、ドルが一番大きな通貨であり、ユーロが2番目に大きな通貨であるため、何かあった時に、お互いに受け皿になれるのは、お互いしかないからです。

私も、実際に、ニューヨークで、このフローを経験したことがありますが、止めどもない流れが続き、記憶の中で一番長いケースでは、6年間でした。

それは、2001年9月11日の米同時多発テロで、ヒステリックとなったブッシュ政権に不安を感じた他の国が2002年から資金を逃避させたためでした。

今回、既に北朝鮮との緊張があり、そして今度は、中東での緊張が高まり、投資家からすれば、ドルからユーロに資金を逃避的に移すことは、決して気まぐれではなく、至極当たり前の事だと思います。

投資家は、検討に時間をかけ、慎重に決定します。

しかし、いったん決めたら、もう脇目もふらずに、行動します。

ですから、今度のユーロ買いドル売りも、たぶん当分止まらないと思いますし、1.3000あるいは1.4000を視野に入れておいた方が良いように思います。

こうした猪突猛進の相場では、何が起きているのかわからないことが多いですが、ひとつ言えることは、逆張りは避けるべきかと思います。

尚、ここで言う投資家とは、政府系ファンド、年金運用のペンションファンド、日本の機関投資家や中央銀行などを指します。

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水上 紀行氏 プロフィール

水上 紀行氏

1978年三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。1983年よりロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かす。1995年より在日外銀に於いて為替ディーラーおよび外国為替部長として要職を経て、現在、外国為替ストラテジストとして広く活躍中。バーニャ マーケット フォーカスト代表。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。 公式ホームページ:「Banya Market Forecast」

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