ウィークリー・コラム

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マネックス証券為替ディーラー
高野 進吉 ウィークリー・コラム
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高野 進吉 (当社為替ディーラー)

高野 進吉 (当社為替ディーラー)

1991年から外国為替市場に携わる古参の為替ディーラー。短資会社で身につけた為替に関する深い鑑識眼と、長年の為替ディーリング経験を活かし、簡潔でわかりやすいマーケット分析を皆様にお届け。

6月21日木曜日 英MPC Meeting (金融政策委員会会合)

更新日時:2018年6月22日 10:00

今回はGBPに注目。

  

前回の動き

2018年5月10日 20:00 金融政策の概要・議事録発表

事前予想 結果 前回
Bank Rate 0.50% 0.50% 0.50%
Government Bond Purchases 4,350億ポンド 4,350億ポンド 4,350億ポンド
Corporate Bond Purchases 100億ポンド 100億ポンド 100億ポンド

同時発表 Inflation Report

20:30  カーニーBOE(英国中央銀行)総裁記者会見(日本時間)

 

当時の市場環境

2018年3月に英国のEUから離脱する際の移行期間について英国・EU間で暫定合意に達し、GBPの先行き不透明感が緩和、GBPは上昇に転じた。4月17日にはGBP/USDは2016年6月のEU離脱の国民投票以来の高値1.4375㌦を記録していた。

4月18日に発表された英CPI(消費者物価指数)は予想を下回りGBPは大きく反落し、4月20日のカーニーBOE総裁のテレビインタビューの内容が利上げに積極的ではないと捉えられさらに下落した。その後一旦は反発しかけていたが、27日の英GDPが予想を下回ったことで再び下落した。5月に入ってからも弱い経済指標の発表が続きGBPは下げ止まらず、5月8日にはGBP/USDは2月以来の安値1.3586㌦まで売られた。

 

発表直後の動き

TA20180615_1.png

GBP/USD(出所:Bloomberg)

TA20180615_2.png

GBP/JPY(出所:Bloomberg)

政策金利・債券購入金額ともに事前予想通り現状維持。政策金利の0.25%引き上げに賛成票を投じたのは前々回と同じマカファーティー委員とソーンダース委員の2名のみ。他の委員は直近の弱い経済指標を理由に据え置きを主張した。

同時に発表されたインフレレポート(四半期毎)の中で、インフレ率やGDPの見通しが何れも2月公表のインフレレポートから下方修正されたことで、発表直後からGBP売り優勢となった。

 

TA20180615_3.png

(Bank of England Inflation Report May 2018より)
https://www.bankofengland.co.uk/-/media/boe/files/inflation-report/2018/may/inflation-report-may-2018.pdf

 

記者会見の開始直後にはさらに下落したが、記者会見そのものは、ニュートラルな内容だったためすぐに戻し、その後は売られ過ぎの反動からか上昇基調に転じた。


会見の主な内容
「2月に示したガイダンスは明らかに調整された」
「2月以降、金利を引き上げる条件を達成していない」
「緩和が一時的なものになるか持続的なものになるかが問題」
「家計は実質所得が回復するように消費より貯蓄を選択した」

 

最近の動き

TA20180615_4.png

 

3月のイタリア総選挙でポピュリズム政党「五つ星運動」は第一党となったが、議席の過半数を確保できず、総選挙以降継続的に連立協議を行っていた。度重なる組閣の失敗で5月に入ると再選挙の可能性が浮上、先行き不透明感が高まり世界的株価下落に繋がった。同時にGPBも下落し5月29日にGBP/USD・GBP/JPYはそれぞれ年初来安値を更新した。

6月1日にやっと 「五つ星運動」と右派政党「同盟」」の推薦を受けジュセッペ・コンテ氏が新首相に就任し連立政権が発足した。当面の危機を回避したことで不透明感は和らぎマーケットは落ち着きを取り戻しGBPも切り返した。

加えて何種類かのMarkit PMI(Markit社が公式データに先駆けて発表するPurchasing Managers' Index)が発表されたがそれぞれ予想を上回る結果でGBPを押し上げた。

 

6月1日 17:30 調査 事前予想 結果 前回
IHS Markit/CIPS UK Manufacturing PMI® 5月 53.5 54.4 53.9
6月4日 17:30 調査 事前予想 結果 前回
IHS Markit/CIPS UK Construction PMI® 5月 52.0 52.5 52.5
6月5日 17:30 調査 事前予想 結果 前回
IHS Markit/CIPS UK Services PMI® 5月 53.0 54.0 52.8

  

6月11日 17:30

調査 事前予想 結果 前回
英 商品貿易収支(英ポンド/百万) 4月 -11,300 -14,035 -12,287
英 鉱工業生産(前月比) 4月 0.1% -0.8% 0.1%
英 鉱工業生産(前年比) 4月 2.7% 1.8% 2.9%
英 製造業生産(前月比) 4月 0.3% -1.4% -0.1%
英 製造業生産(前年比) 4月 3.1% 1.4% 2.9%
英 建設支出(季調済,前月比) 4月 2.0% 0.5% -2.3%
英 建設業生産指数(季調済,前年比) 4月 -1.8% -3.3% -4.9%

複数の経済指標が発表されたが軒並み予想を下回りGBPが下落。

 

6月12日 17:30 英雇用統計

調査 事前予想 結果 前回
英 失業率(16歳以上・季節調整値) 2-4月 4.2% 4.2% 4.2%
英 失業保険申請件数前月比(季節調整値) 2月 -- -7,700 31,200

発表前から緩やかにGBPは上昇していたが、結果がほぼ予想通りであったことで、発表後に緩やかに下落する。

  

6月13日 0:15頃

英下院でEU離脱法案に対し議会の権限を強化することを企図する修正案に対する採決が行われ、メイ首相の呼びかけに応じる形で修正案を否決した。EU離脱のプロセスの混乱に対する警戒感が緩和されGBPが上昇。

6月13日 17:30

調査 事前予想 結果 前回
英 消費者物価指数(CPI)前月比 5月 0.4% 0.4% 0.4%
英 消費者物価指数(CPI)前年同月比 5月 2.4% 2.4% 2.4%
英 小売物価指数(RPI)前月比 5月 0.4% 0.4 0.4
英 生産者物価指数(PPI)仕入(季調前、前月比) 5月 1.8% 2.8% 0.4%
英 生産者物価指数(PPI)出荷(季調前、前月比) 5月 0.3% 0.4% 0.3%

発表直前より悪い結果を警戒してGBPは売られていたが、注目のCPIはほぼ予想通りの結果で発表後は緩やかに値を戻した。

  

6月14日 17:30 

調査 事前予想 結果 前回
英 小売売上高(含自動車燃料、前月比) 5月 0.5% 1.3% 1.6%
英 小売売上高(含自動車燃料、前年比) 5月 2.4% 3.9% 1.4%

予想を上回り、GBP上昇。

  

ブレグジットの交渉は3月以降に大きな進展が見られず、また北アイルランドとアイルランド共和国の国境管理の問題もクリアできず先行き不透明となっている。

今回も金融政策そのものの予想は現状維持となっているが、注目は金融政策決定の投票の結果である。政策金利引き上げ提案を2回連続で7対2で否決したが、直近の好調な経済指標を踏まえ利上げ賛成票が増えるとGBPは大きく上昇することになろう。

  

6月21日20:00 金融政策の概要・議事録発表 

事前予想 結果 前回
Bank Rate 0.50% 0.50% 0.50%
Government Bond Purchases 4,350億ポンド 4,350億ポンド 4,350億ポンド
Corporate Bond Purchases 100億ポンド 100億ポンド 100億ポンド

記者会見の予定は無い。

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高野 進吉 プロフィール

高野 進吉

1991年よりトウキョウフォレックス株式会社で為替スポット取引や先物取引のブローカーを歴任後、2006年より同社にて為替証拠金事業における為替ディーラーとして活躍。2015年より現職。
短資会社で身につけた為替に関する深い鑑識眼と、長年の為替ディーリング経験により、社内ではディーラーのパイロット(水先案内人)的な存在感を発揮する。

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